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フランス王シャルル7世の肖像

額縁の上部に「勝利に輝けるフランス国王(LE TRES VICTORIEVX ROI DE FRANCE)」、下部に「シャルル7世(CHARLES SEPTIESME DE CE NOM)」と記されている。この勝利をトゥールの休戦(1444年)、フォルミーの勝利(1450年)、ギエンヌ再攻略(1453年)のどれにするかで制作時期が変わってくる。背景にイタリア・ルネサンス的な遠近感がないことからフーケのイタリア旅行(1445年頃〜1447年以前)の前、1440年代前半とする説が有力だった。
近年のX線検査でこの図の下に「ムランの二連祭壇画」の聖母子と似た形態の聖母子像の下絵が見つかったことで複雑になった。ムランの二連祭壇画が1450年代初頭に制作されたとすると、このシャルル7世像もそれ以降となる。二連祭壇画の聖母子像が古風なので1440年代前半に制作された聖母子像に後から左翼が加えられたという説もある。 模写のみが残る斜め左向きの「王妃マリー・ダンジューの肖像(現存せず)」と対幅をなしていたとする説もある。
ブールジュのサント・シャペルに王の公式肖像画として奉納されていたが、1757年に礼拝堂が壊されたとき、ルイ15世の命でルーヴル宮絵画室に移された。
世界美術大全集10 ゴシック2 1440年代
フランス王シャルル7世の肖像
フーケ 1444/45年頃または1450年頃
板 86×71cm
パリ ルーヴル美術館